エンド・オブ・ステイツ / Angel has Fallen

ジェラルド・バトラー主演のシークレットサービス系アクション映画。「エンド・オブ・ホワイトハウス」、「エンド・オブ・キングダム」に続いて3作目。

リモートワークで日曜日でもあんまりすることがないので、アマゾンプライムで399円も出して見てしまった。

邦題より原題のほうがかっこいい。「Olympus has Fallen」、「London has Fallen」ときて「Angel has Fallen」。「Olympus」はホワイトハウスのコードネームで、一作目で主人公の同僚(コール・ハウザー)が死ぬ前に「Olympus has fallen (ホワイトハウス陥落)」と伝えながら敵に殺されてしまう。好きな俳優なので、そのシーンはよく覚えている。三作目のタイトルのAngelは主人公のマイク・バニングのことで、大統領の守り神が地に落ちたという報道がタイトルになっている。

2作目がとてつもなくつまらなかったので、3作目が出たのに驚いた。2作目は退屈すぎて最後まで見たことがなかったのだが、あれでアーロン・エッカートが演じていた大統領が死んだのかしら? 気がついたら副大統領だったモーガン・フリーマンが大統領に昇格していた。ジェラルド・バトラー以外に一作目から同じ人はこのモーガン・フリーマンだけで、あとは主人公の妻すら別人になっていた。

本作もストーリーは粗いがまあまあ面白い。細かいところに目をつぶれば楽しめる。ただハイテクとローテクがまざってるところがちょっとねー。最初のスーパードローンの攻撃とか、ハッキングで車を止めちゃうところとかは、最新技術の少し先をいく想像力が上手に展開していてよいのではないかと思った。シークレットサービスが弱すぎるけど。

それなのに主人公が車を盗むシーンはちゃんと見せない。このご時世、新しい車はハンドルの下の配線を少しいじってエンジンをかけるなんてできないんだから、最近の映画で車を盗む時は、皆さん大抵旧式の鍵を回さないといけないタイプの車をわざわざ探している。でもマイク・バニングが盗んだのは今どきのシボレーのピックアップトラック。それそんな簡単に盗めないんじゃないかな。

マイクの変人パパはニック・ノルティが好演。陰謀論者で水道も電気もない山の中で暮らしているくせに、監視カメラをいくつも取り付けて敵の襲撃をいち早く察知する。あかりもついてないのに、カメラとビデオは回っている。手先が器用そうだからきっとグリーンエネルギーの発電システムを使ってんのね。更に都合のよいことにパパは爆弾魔で、敵に大打撃をあたえてくれた。ただ、暇にあかせてパパが書いていた自伝がその後どうなったか気になる。

一番よかったのはマイクを追うFBIエージェント役のジェイダ・ピンケット・スミスだった。無表情な強い女って感じが素敵だった。「追跡者」のトミー・リー・ジョーンズみたいな役どころになるかと期待していたんだが、途中であえなく退場。好演していただけに残念。

敵の最終目的とかよくわからなかったが、この手のシリーズに深みを求めるべきではないであろう。いつもながら主人公が窮地を切り抜けて活躍できたのでよいとする。この分だと次回作もありそう。