リベンジの胃カメラ

今日は健康診断だった。オプションで胃カメラもつけた。今年で3回目。去年、おととしは麻酔なしで惨敗したので、今年は麻酔あり。

前回まではとにかく苦しくて吐いてげっぷも出しちゃうので、「これじゃなんもわからんよ」と医者に呆れられた。それで、意識を保ちながら胃カメラの苦しさを自分でコントロールするのはムリだと諦めをつけて、今回はリベンジの胃カメラである。

しかし説明段階で相変わらず病院に脅される。意識がなくなって暴れて身に覚えのない傷やアザがあっても知らんよとか、ふらふらでなかなか目が覚めないこともあるよとか、わけわからんこと喋り出すかもよとか、もうその段階で麻酔やめますって言わせたいのかなというレベルの具体的で怖い話を連続で聞かされる。それでもやりますというと、まずは点滴。

え、ここまだ待合室なのに寝ちゃっていいんですか?と思って慌てて「これなに?」ってきくと「生理食塩水だから怖がらなくていいよー」との答え。相変わらず説明に濃淡がある。誰にでもやること(麻酔の前の生理食塩水)、起きること(胃に空気を入れるからげっぷを我慢すること)の説明は一切せず、あとで何かあった時に病院が責任回避できるための話しかしない。こういうの何て言うんだっけ? 情報の非対称性だ。

そして待っていたらいよいよ呼ばれて処置。口にSMプレイみたいなマスクを装着されて、そこらへんから嫌な感じ。しかし「はい、麻酔入れますよ」と言われて、あ、視界がぶれてきたからこの後のことはちゃんと覚えておこうと思った時点で意識消失。次の瞬間には「杉山さん、聞こえますか? 終わりましたよー」という声で起こされた。

その時にビビッドな夢を見ていて、金色の空気の中でバリバリに仕事をしていた。だから「え、ちょっと待って。今目が覚めたらこの仕事はなかったことになっちゃうの?」というPCのデータが消えちゃったような失望感とともに目覚めたのであった。

時計を見たら15分も経過しておらず、ずいぶんあっさりしたもんだなと思った。隣に連れて来られた男の人は「最後目が覚めちゃいましたね、大丈夫でしたか?」ときかれていたので、そんな人もいるのかとぼんやり思った。

私の勝手な想像では、まず麻酔薬か鎮静剤みたいなもので眠らされて、そのあと目が覚める薬をまた注射されることになっていた。しかし10分、20分で自然に目覚める量の薬しか使ってないんだわね。レイブドラッグ盛られて、そのあと覚醒劑で目覚めるみたいな順番かと思っていたので、その点は肩透かし。

思い込みで頑なに麻酔を拒むのもアホですね。体育会系的精神で意識あるまま胃カメラの苦しさを頑張るよりずっと楽じゃないですか。ひとつ勉強になりました。