遅刻

ある同僚が定期的に欠勤や遅刻を繰り返している。私は彼を心の中でアル君と呼んでいる。アル中だからアル君だ。

この前は自分の担当の客との打ち合わせに寝坊して来られなかった。急遽ボスがかわりに対応していたが、今年に入っただけでも外部との打ち合わせを5回くらいすっぽかしている。なかなかの大物だ。

ボスはアル君にはあまりきついことを言わないのに私に当たる。

「え、アル山くんまだ来てないの? だめだよ飲ませちゃー。昨日飲みに連れていったのだれ?」
「私たちの誰が仲も良くないアル山さんを平日の真ん中に飲みに誘いますか? いつも誘ってるのはボスのほうでしょ」
「だけどもう彼は病気なんだから、飲むなって言わなきゃだめじゃん。そういうのも親切だよ」
「とっくの昔からあんたはアル中だから専門病院にかかったほうがいいってストレートに言ってますよ。アル中の本だって渡してるのに本人がやめないんだからどうしようもないでしょ」
「とにかくほっとくのはよくないと僕は思うよー」
「アル山さんの個人的問題及び失態を私たちの連帯責任にすり替えないでくださいね」

言われずとも必要なことを先回りして片付けておくと、言われのない責任転嫁もかわすことができる。

ということにしておくが、ボスの責任転嫁にむかつく私はまだ修行が足りない。