Brittany runs a Marathon

アマゾンプライムの映画。私も一時期本気で走っていたので見ちゃった。

ストーリー展開は至ってシンプルで、デブで自信のない女の子がマラソンを通して痩せて友達を作って自分の弱さと対峙して成長していく話。最後はフルマラソンを完走してやったーって盛り上げて終わり。

監督の元ルームメイトのブリタニーの話を下敷きにしてるんだって。意外なことに本物のブリタニーのほうが映画のブリタニーより美人だった(こういう場合、映画のほうが美人なことが多い)。ただ、下のインタビュー記事を読んだら実話ではないらしい。フルマラソン走っただけで人生変わるならそりゃ楽だけど、そんなわけないしね。

https://people.com/movies/brittany-runs-a-marathon-real-life-inspiration-brittany-oneill/

映画なのでわかりやすく完結していて気軽に見られる。見たあとすぐに忘れちゃうだろうけど。

私が一番気になったのがブリタニーのルームメイトの小柄でスキニーなアジアンガール。引き立て役のブリタニーとつるんで、ブリタニーが痩せ始めると足を引っ張ろうとするビッチ。最近でいうところのフレネミーってやつですね。女の敵は女ってことでしょうか? 他の主要な女性登場人物が全部白人なのに、そこをアジア人(多分中国人)にするところに何らかの意図を感じた。でも映画の中で一番個性を発揮していたのが彼女だったことも確か。

あとブリタニーの自信のなさを示すエピソードがひどい。ディスコ(今はクラブっていうのか?)で会ったばかりの男のモノをくわえるとかいる? 商売女が主人公なわけじゃないでしょ。一応健全を目指しているっぽい映画なので行為そのもののシーンはないけど、トイレに行く直前まで写している。笑いをとりたいならいくらでも別のやり方があるだろうにそんなエピソードを2回も入れるところが悪趣味。

走り始めるきっかけも太りすぎはブリタニーの健康に悪いってことだったけど、後で明らかな肥満女性が出てきて、彼女はそのままで美しい、みんなあるがままが自然よ、みたいなメッセージになって痩せるべきなのか、太ってるままでいいのか、映画の軸がぶれている。痩せて幸せになるならそれでいいからそのスタンスを貫くべきでしょ。

一見最近のウーマンエンパワーメントの潮流にのっている風でありながら、実は監督(もしくは脚本家?)の女性蔑視が透けて見えるように思える映画だった。