1年半ほど前に会社が引っ越しして、その時に取引先から胡蝶蘭が何鉢も贈られた。花が終わったあとの始末に困り、全て私が持ち帰った。

蘭の育て方をネットで調べて全て植え替えて、水のやり過ぎにだけ気をつけて時々肥料をやっていたら今花芽がどんどん出て来て、蘭ラッシュになりそうである。

蘭はけっこう丈夫で、最初の鉢に入った状態のままで置いておいても、条件がある程度よければしばらくは花をつける。でも贈答用の蘭は外側の鉢こそ立派なものの、蘭そのものはビニールの鉢(ポリポットというらしい)に入って根っこの通気性が悪いし、更に底には発泡スチロールが入っていたりして、けっこう可哀想な状態にある。よいのは見た目だけ。

だから素焼きの鉢に植え替えたほうがよろしい。でも植え替えの時に根っこを痛めたり、切りすぎたりして株が弱ってしまった蘭は葉っぱが細くて貧弱になる。回復してくると、分厚くて楕円形の力強い葉っぱがはえてくる。

会社によっては、蘭を最初の状態のままとっておいて、水や肥料を適当にやり、花を咲かせているところもある。でもそういう蘭は花芽がひょろひょろに細く、葉の色つやも悪く、最後の力を振り絞って花をつけている感じである。

そういう蘭を置いている会社は多分あまり元気がない。惰性経営か、過去の貯金を食い潰しているだけなので。

根拠は、従業員の最低一人が簡単な蘭の育て方すら何年も調べずにそのままにして、鉢の中も確認しないから。一見気が利くようでいて、実は表面的な仕事しかしていない人がいるということである。そして上司だか経営者もそれに気づかす、あるいは注意できず、そのままにしている。そういうある種のなあなあさが蘭の状態に表れている。逆に言えば、そういう会社は将来性や潜在力はあまりないかもしれないが、ゆるくて適当に仕事をすれば給料をもらい続けられる職場である可能性が高い。

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