セカンドチャンス

父がふたつ買ったウェッジウッドのマグカップ。私はこれをナルニア国物語の朝びらき丸シリーズと呼んでいて大好き。

あまりに好きすぎて、ひとつは私が留学したときに持っていったそうなのだが、何も思い出せない。割ったらショックで覚えていると思うが、記憶にない。好きすぎて割れた記憶を封印してしまったのか? あるいはいつの間にか誰かに盗まれたんだろうか? それとも私が持っていったというのが父の記憶違いなのだろうか? そもそも留学先に持っていった記憶が私にはない。

いずれにせよ、残った片方がこれ。このシリーズはデパートで必ず見かけるが、円筒形のマグカップは最近置かれていない。廃盤になったのだろうか? よく見るのはティーカップかちょっと下のほうがカーヴィーな卵型のカップ

もう買えないからこれちょうだいと父に頼んだら断られた。ひとつはもうあげたし、これは父が死ぬまで使うんだそうである。

でも今日父のところに行ったら、気持ちが変わったらしく持っていっていいと言われた。もうすぐ死ぬかもしれないのに、そんなに物欲あったらいかんと思い直したらしい。なので、父の気持ちが変わらないうちに持ち帰った。

マイセンは高級すぎて普段使いできないし、ロイヤルコペンハーゲンは少し繊細な感じがするが、このマグカップは形が寸胴でシンプルなのに洗練されていてお茶がたくさん入る感じがすごく好き。そして模様にもストーリーがある。まあ私が勝手にそう解釈しているだけだが、好みってそんなもの。

同じシリーズでビッグな急須もある。それも父が持っていたような気がするが、そんなのは普段使いしないからいらない。父も多分使ったことがない。そこまでいくとイングランドの名家がお茶する感じで、スコーンのあるティータイムをしないといけなくなりそう。

とにかくこのカップカップとしてあるべき条件を兼ね備えた完璧なものなので、今度こそ(?)なくさないように、割らないように、心して扱わねばならぬ。

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